燕市とともに歩む、協栄信用組合の歴史

燕市とともに歩む、協栄信用組合の歴史

燕の発展とともに歩んできた協栄信用組合。

その歴史を、元燕市産業史料館学芸員の齋藤さんに伺いました。

燕市のものづくりを支えるために設立された金融機関

協栄信用組合の前進である「燕信用組合」は、燕市のものづくりを支えるための金融機関として、1952年8月に開設されました。

皆さんもご存知のとおり、燕市は個人事業主の職人や、零細企業が多く存在します。

戦後、燕市の金属加工業が発展していく中で、このような燕市内の小規模事業者にとって、「工場を建てたい」など、様々な要望がでてきました。

しかし、残念ながら当時の金融機関は、なかなかこのような規模の事業者には融資をしてくれません・・・

「地域の産業が発展していくためには、地域発の金融機関が必要だ」となり、燕信用組合が設立されました。

当時から変わらないのは「人と真剣に向き合うのがきょうえいらしさ」ということ

設立当時、融資を希望される事業者さんに対して行っていたのは、「とことんそのお客様の人柄、人となりを理解したうえで判断する」ということだったそうです。

「この人は本当に情熱をもって仕事に取り組んでいる」

「人柄が素晴らしい」

今のように情報が整備されていない時代ですから、融資の判断基準は、徹底的にそのお客様と向き合うこと。

今の時代では信じられないかもしれませんが、お客様と向き合いながら、お客様の熱意を応援する体制を作ってきました。

これが原点であり、今も「おせっかいのきょうえい」をモットーとするアイデンティティなんだと思います。

20周年事業として寄付をいただき建設された燕市産業史料館

実は、燕市産業史料館は協栄信用組合の創立20周年記念事業の一環として、2000万円の寄付をいただき、1973年に建設されたものなのです。

燕市産業史料館が開設されたのは、高度経済成長期の真っただ中。

しかし、その設立経緯は「好景気に沸く中での設立」ではなく、むしろ衰退していく伝統的な手仕事に対する危機感から来るものでした。

高度経済成長の中では、手仕事から大量生産へと変わる変革期。燕の伝統的な手仕事は、かろうじて残っているという状態でした。

そんな中、このままでは自分たちのルーツが失われてしまう・・・と危機感を抱いた有志が集まり、いつでも自分たちのアイデンティティを確認できる場所を造ることを目指しました。

そんな折に、協栄信用組合の創立20周年と重なり、寄付をいただいて建設されたのです。

浮き沈みのある経済。このまちを支え続けた「きょうえい」の大きな力

景気の良いときもあれば悪いときもある。

バブルの崩壊やリーマンショック、安価な海外製品の台頭。

私たち燕も、大波小波に揺られながらそれを乗り越えてきました。

燕の企業が成長していくエンジンとして、協栄信用組合の存在は欠かせないものであったはずですし、この街に住んでいる私たちが安心して快適に暮らしていくためにも、協栄信用組合の存在は大きな力となってきたはずです。

住宅ローンの相談をしたい と言えば、親身になって話を聞いてくれる。

目先の損得ではなく、本当に私のためになる提案をしてくれる。

創業したら、全力で応援してくれる。

燕の企業や職人たちが持っている信念のようなものを、きょうえいの職員さんたちも同じ熱量で共感してくれる。

良いときも、大変なときも、この街とともに生き、この街を支え続けてきたその力は、資金面だけでなく、この燕にとって心の支えにもなったはずです。

情報過多の時代だからこそ、きょうえいらしい「おせっかいさ」を発信し続けて!

ネットで検索すればなんでも調べられ答えが見つけられる時代。

でも、どこの誰が発信しているのかわからない情報よりも、より地域に寄り添う人々から発せられた情報のほうが、安心して心にストンと落ちてきます。

きょうえいだからこそできるコミュニケーションを続けて、この街の安心と活力の源になってもらえたらなぁと思っています。

協栄信用組合の沿革

昭和27年8月 燕市燕2970番地において、「燕信用組合」として設立。

昭和35年3月 本店を燕市燕4526番地に新築移転。

昭和39年10月 名称を「燕信用組合」から「協栄信用組合」に変更。

昭和49年4月 新潟共同電算センター設立。県内5信組と事務の電算化開始。

平成3年11月 全国信組共同センター(SKC)に加盟。

平成6年7月 預金量1,000億円達成。

平成10年3月 燕市東太田6984番地に本店新築、本部を移転。

平成10年4月 本店営業部を燕市東太田6984番地に移転。

平成13年8月 新潟市を営業地区に認可。

平成14年8月 創立50周年記念式典挙行及び各種記念事業を実施。

平成19年8月 旧豊栄市、旧亀田町、旧横越町及び旧下田村が地区として認可。これにより新潟市全域、三条市全域が営業地区となる。

平成24年8月 創立60周年記念講演会と感謝の集い開催。

平成28年12月 西加茂支店を加茂市千刈地内に新築移転。名称を加茂支店とし、経営大学前支店を統合。

平成30年11月 大曲支店を仲町支店に統合。

令和4年 8月 創立70周年を迎える。

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