代々米作りを中心とした農業を営み、循環型の新しい農業を目指して養鶏場をスタート。そして2年後の昭和40年に燕市初の農業法人として(有)ツバメファームを設立。
SNSってなに??と言いつつスマホを使いこなし、自転車も颯爽と乗りこなす清水社長。
お肌もとてもきれいで元気ハツラツ!な第一印象だったので、お歳を聞いてびっくりです。
なんと昭和15年生まれの84歳!!
戦後食料のない時代を生きた社長から見た現代がどんな風に映っているのか?など、貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。
食べ物があるのが当たり前って、おかしいよね。
農家のせがれとして生まれ、農学校を卒業した社長。当時は、今のような設備や除草剤もなく、全部手作業。肥料も入手出来なくて、収穫量が確保できず、農家を取り巻く状況は大変厳しかったそうです。そんな時代を経験した社長からすると、
「食べ物あるのが当たり前って、おかしいよねえ。
食料自給率がこんなに低いのに、なんで日本人は誰も騒がないのかなー?
きっといづれ、食糧危機がくるよ。こんな高齢者が農業やってていいのかなー。」
と、危機感を感じていらっしゃいました。
だから、お店でジュースを買うよりも、横に並んでる牛乳を買うんだとか。酪農家さんが朝早く起きて、頑張って牛乳を作っているのを知っているから。
戦争を知らない、食べ物が無い時代を知らない、だから想像することもできない私たちと違って、その大変さをリアルに経験してきた社長の言葉は、きょうこの心にズシンと響きました。
ツバメファームが取り組む循環型農業
昔の農業は、畑のクズがブタのエサになり、(昔の農家さんの多くは養豚をしていたそう)ブタのフンが堆肥となって畑の肥料になる。ゴミ収集車なんて必要なしの循環型農業。だけど今は、安価な化学肥料に変わって、だれも堆肥を使わなくなってしまったから、何とかしなくちゃ!と思った社長。鶏のフンと、もみ殻を混ぜて発酵させた、サラサラでニオイも少ない、栄養満点な肥料を販売しているのだそう。しかも一袋100円で詰め放題!この気軽さ、一見難しそうな循環型農業がとても身近に感じられました。
卵はすごい!!
時代の流れで養豚をする農家が減り、自身も他の商売をするもうまくいかず、、、。なかなか大変だった清水社長。「鶏は儲かる」と親戚にすすめられて養鶏を始めるも、経営は厳しい状態。
そんな危機を救ってくれたのが、卵の直接販売だったそう。
卵の鮮度をわかってもらえるし、意見も聞ける。相場に左右さることもなく質のよい卵を販売することができる。
安い肥料を食べた鶏は、栄養を卵に送るから、母体が弱って卵が産めなくなってしまう。
だからごまかせない。こんな食べ物、他にないよね。
災害が起きて、水も火も使えなくても、卵はそのまま食べれるでしょ。しかも栄養価が高い!良質なたんぱく質をダントツに安く摂取できる!こんなのないよー。と卵大絶賛!
新鮮な卵をいつでも自動販売機で。
事務所から道路を挟んだ向こう側には、卵の自動販売機が!
抗酸化作用のあるアスタキサンチンを含んだ「アスタ卵」、えさにゴマを使用した「ごま卵」、良質なエサと活性水を飲んでるニワトリさんの「活性卵」。
産まれたての美味しい卵がいつでも買えるなんて、うれしいですよね。
それから、社長がつくる「ゆでたまご」。おいしい半熟をつくるのがとっても難しいんだとか。
忙しい毎日に追われて、つい便利さや手軽さを追求してしまう今日この頃。社長のお話を聞いて、忘れていた大切な事に気づかされました。ご飯を食べる時、ちゃんと心から「いただきます」と言いたいです。
そして、私たちはこれから先の未来へ、社長の想いをつないでいきたいですね。